近況報告
記事は清野先生に書いて頂きました。
2019年7月4日~5日に新潟朱鷺メッセにおいて第61回日本婦人科腫瘍学会学術講演会が開催されました。
当大学からは永瀬教授含め5名の発表がありました。永瀬教授は低侵襲広汎子宮全摘術の課題と展望というワークショップにおいて、「日本の広汎子宮全摘術は本当に優れているのか?」という題で発表されました。日本全国の施設から収集したデータをもとに解析した結果で、腹腔鏡下広汎子宮全摘術の妥当性についての検討結果を発表されました。
他に基礎研究について「子宮体部漿液性癌細胞株におけるフェロトーシス誘導機構とJNK signalingとの関連(太田)」、臨床内容として東北婦人科腫瘍研究会(TGCU)で行った後ろ向き多施設共同研究の「子宮頸癌IB~IIB期における傍大動脈リンパ節腫大例に対する治療法の検討(清野)」、「子宮頸癌で小細胞神経内分泌癌と腺様嚢胞癌、扁平上皮癌の1例(榊)」、「卵巣子宮内膜症性嚢胞の癌化を疑い妊娠中に手術を施行した症例の検討(奥井)」の発表がありました。
また、日本産婦人科腫瘍登録データをもとに解析した「進行子宮体癌における術前化学療法に関する検討(清野)」の発表がありました。各発表において、活発な討論がなされました。
学術講演会のテーマが「婦人科がん治療におけるprecision medicine -導入から実践へ」というテーマだけあり、近年注目されているゲノム解析に基づく非常に興味深い研究が多くみられました。臨床面では、ガイドラインに関する検討、腹腔鏡・ロボット支援手術といった低侵襲手術(Minimally invasive surgery: MSI)に関連する演題が注目を集めていました。
懇親会では新潟の美味しい地酒を味わいながら、今後の新しい研究についての話で大いに盛り上がりました。明日への臨床・研究に生かせる知識を得た有意義な学会参加となりました。