近況報告
2024年7月18日(木)~7月20日(土)に鹿児島県鹿児島市において第66回日本婦人科腫瘍学
会学術講演会がハイブリッド形式で開催されました。当科からは、永瀬先生、太田先生、
清野先生、奥井が現地参加しました。梅雨明けでありとても蒸し暑かったです。
演題発表は
太田先生が『卵巣明細胞癌における代謝プロファイルと予後との関連』、
清野先生が『がん遺伝子パネル検査結果に基づいた本邦における外陰・腟悪性腫瘍に遺伝学的
検討』、
奥井が『化合物ライブラリーによるPARP阻害薬感受性増強薬の探索』を発表しま
した。
また、永瀬先生はコンセンサスミーティング、シンポジウム、ランチョンセミナーの座長
をされており、とてもお忙しそうでした。
今回の学会は、局所進行子宮頸がんに対する治療は手術か放射線治療かのディベート
、SHAPE trialの結果が出たことによる早期子宮頸がんの術式に関するディベート、子宮体
癌分子分類に関するセッション、近年選択肢が増えた薬物治療のセッションなど勉強にな
るセッションがとても多かったです。また、COVID-19流行前にも増して海外からの参加
者が多く、英会話のトレーニングが必須だと感じた学会でした。
今回の学会で得た新たな知見を今後の研究や診療に活かし、今後も国内の学会だけでなく
、海外の学会にも積極的に参加していきたいと思います。
2024年7月13日(土)~7月15日(月)
大阪府の大阪国際会議場にて第60回 日本周産期・新生児医学会学術集会が開催されました。
当科からは
深瀬先生が「当院における産科出血に対する子宮動脈塞栓術の検討」
伊藤友理先生が「無痛分娩において、計画的な分娩誘発が分娩転帰に与える影響」
山口先生が「妊娠糖尿病既往女性における産後糖代謝異常の予測」
を口演で発表しました。
山形県立中央病院からは
丸山先生が「脳梁低形成を合併し診断に難渋した胎便性腹膜炎の1例」
福長先生が「リトドリン塩酸塩の長期投与による早産予防効果の検討」
を口演で発表しました。
例年とは異なる3連休の開催で大阪はにぎわっていましたが、学会会場でも活発な質疑応答が交わされ、発表しながらも学ぶことが多くありました。
学会で得た新たな知見を日々の診療や研究に生かしていきたいと思います。
2024年5月17日から5月20日にかけて、韓国の釜山(BEXCO)において第28回アジア・オセアニア産科婦人科学会(AOFOG 2024)が開催されました。医局のご支援をうけて参加させていただきました竹原より、報告させていただきます。
この学会は、アジア、オセアニア地域の多くの国から産婦人科医が集まり、産科婦人科の多岐にわたる分野についての知見を各国から持ち寄られ、学術集会が行われています。今大会では、8の特別講演、12のワークショップ、55のシンポジウム、685の一般演題(口演とポスター)という非常に多くの演題が集まり大盛況に終わりました。日本、韓国、台湾などの近い国々だけでなく、インド、フィリピン、タイ、モンゴル、ニュージーランドな
ど、非常に多彩な国の発表があり、他の国際学会とはまた一味違った雰囲気を味わうことができました。
当科からは、シンポジウムで竹原が「Two Artificial Intelligence-based Models for Decision Support of Infertility Treatment」の演題を口演発表しました。また、同セッション(Symposium 42 Artificial Intelligence in Gynecology and Obstetrics)の座長を同じく竹原が務めました。国際学会での英語の口演も初めてでしたが、たまたま機会があり、務めさせていただいた座長の経験は代え難い貴重なものとなりました。また、国際学会に初めて金子先生が参加し、非常に多くの刺激をうけてアカデミックな情熱を持ち帰ることができました。
会場となった釜山は陽射しが強く日本の夏のような気候でしたが、湿度はそこまで高くなく、賑やかで異国情緒あふれる街並みが印象深かったです。現地では、同じ東北地方の大学の先生方と意見交換をする機会もありました。帰国するころには、金子先生は現地の交
通系ICカードを使いこなして地下鉄を自在に乗りこなし、竹原は意味はわからなくてもハングル文字を一通り読めるようになりました。
いつも学術集会への参加は学術的なモチベーションを高めてくれますが、ポストコロナで久々に参加した国際学会は格別なものがありました。またこうした大きな舞台で、自らの壁の向こう側を感じながら挑戦する機会をいただきたいと強く思いました。日々の臨床はもちろん、研究などの学術研鑽をかさね、再び国際学会での発表に臨みたいと思います。
2024年6月8日(土) 14:00~
山形大学で第41回山形県周産期・新生児医療研究会が開催されました。
一般演題では
当科から遠藤輝人先生が「無痛分娩における計画的な分娩誘発が分娩転帰に与える影響」
済生病院 橘川由理先生が「過去10年間に当院で施行した子宮頸管縫縮術の周産期予後についての検討」
山形県立中央病院 今田綾香先生が「日齢1で診断された高位鎖肛」
を発表しました。
特別講演では大阪母子医療センター 副院長 新生児科 和田和子先生をお招きし、「災害時小児周産期リエゾンの役割と課題」をご講演いただきました。
地震の多い我が国で日頃からの備えが緊急時の周産期診療をいかに円滑にするか、あらためて実感しました。災害時は小児科・産婦人科だけでなくDMATなど多数の部署との連携が必要になります。日々の訓練や確認を怠らずに災害に備えていきたいと思います。
2024年5月18日から5月19日にかけて、岩手県盛岡市のいわて県民情報交流センターで第155回 東北連合産科婦人科学会総会・学術講演会が開催されました。
当科からは一般演題で
太田先生が「後腹膜リンパ節郭清後にTLHを施行した1例」
郷内先生が「レンバチニブ、ペムブロリズマブ併用療法中に消化管穿孔をを来した子宮体癌の3例」
佐野先生が「当院におけるCemiplimabr療法の使用経験」
伊藤理恵子先生が「妊娠糖尿病患者における産後糖代謝異常の予測」
橘川先生が「経腟分娩後の異常出血に対して子宮圧迫縫合を行い、子宮全摘術を回避できた2例」
学生の牧田さんが「超音波断層法で評価した胎盤の発育と出生体重との関連」
を口演で発表いたしました。
また、山内先生がシンポジウム「東北から発信するダイバーシティ・女性キャリア」で「自分のキャリアを考える ~自分ができること探し~」
松川先生がスポンサードセミナーで「Reproductive surgeryとしてLMで心がけていること」
を口演で発表いたしました。
関連病院からは
髙橋先生(山形県立中央病院)が「当院で経験した稀少部位子宮内膜症15例の検討」
堅田先生(山形県立新庄病院)が「審査腹腔鏡によって結核性腹膜炎の診断に至った1例」
を口演で発表いたしました。
若手の先生は初めての学会発表の方もいましたが、事前の準備・発表を通して大きく成長できたかと思います。
学会シーズンに入り、日々の診療だけでなく学術活動にもより一層力を入れていきたいと思います。
2024年4月27日(木) 17:00~
山形大学で第163回 山形県産婦人科集談会が開催されました。
総会では山形県産婦人科医会会長である公立置賜総合病院 手塚尚広先生に代わり、山形県立中央病院 堤誠司先生が就任されることが発表されました。
特別講演で千葉大学大学院医学研究院 産婦人科学講座 教授 診療科長 甲賀 かをり先生をお招きし、「獅膽鷹目行以女手」の演題でご講演いただきました。
様々なデバイスが発展した現代の医療現場ではテクニカルスキルを磨くことにとらわれがちですが、ノンテクニカルスキルを身に着けることをあらためて重視する必要性があると実感いたしました。
2024年4月19日(金)~4月21日(日)にかけて、神奈川県の横浜市で第76回日本産科婦人科学会学術講演会が現地とWEBでのハイブリッド形式で開催されました。当科からは、永瀬先生、太田先生、清野先生、渡邉先生、榊先生、深瀬先生、奥井先生、伊藤(友)先生、中村先生、置賜総合病院の八島先生、伊藤(理)先生、山形済生病院の橘川先生が現地参加いたしました。
演題発表はいずれもポスターで、
清野先生が『Microsatellite instability and tumor mutation burden by histological type of gynecological malignancy in Japan』
渡邉先生が『High level of intrapartum fetal heart rate pattern evaluated using the Japanese 5-tier classification is correlated with low neonatal Apgar Score』
榊先生が『婦人科悪性腫瘍に対する当院での重粒子線治療の経験』
深瀬先生が『当院におけるレボノルゲストレル放出システムの使用例の検討』
奥井先生が『Screening for the drugs that increase the efficacy of poly ADP-ribose polymerase inhibitor by the FDA-approved compounds library』
伊藤(友)先生が『Effect of Endoplasmic Reticulum Stress on Human Endometrial Stromal Cell Decidualization』
中村先生が『Crosstalk between Mitochondrial and Endoplasmic Reticulum in Oocytes』
を発表しました。
会場では、各大学での臨床研究の成果や各施設における手術実績・創意工夫、珍しい症例報告に関して、熱い議論が交わされ、研究・日常診療に関して今後のモチベーション維持に繋がる貴重な機会となりました。
また、今回は産婦人科志望の学生も参加していただきました。最新の知見を実際に肌身で体験し、横浜の夜景を見ながら杯を交わし、近代的な学会の雰囲気に大満足されていたようでした。
学会参加で得られた知見を明日からの臨床・研究に活かすだけでなく、不在中に診療をカバーしていただいた先生方・スタッフの皆様への感謝も忘れずに、今後も邁進していこうと思います。
2024年3月14日(木) 19時~
山形大学で第32回 山形県婦人科腫瘍研究会が開催されました。
特別講演で新潟大学医学部 産科婦人科学教室 教授 吉原弘祐先生をお招きし、「婦人科がんを再考する」の演題でご講演いただきました。
子宮内膜と遺伝子変異の関わり、子宮内膜の構造など、新潟大学での研究について多数ご紹介いただき、大変興味深く拝聴しました。吉原先生の研究への熱意を目の当たりにし、我々も日々の研究へのモチベーションが高まりました。山形と新潟は隣県同士であり、今後もあらゆる面で協力しながら産婦人科診療を行っていきたいと思います。
2023年12月14日(木) 19:30~
山形大学で第161回 山形県産婦人科集談会が開催されました。
特別講演で京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学 教授 万代 昌紀先生をお招き「大きく変わりつつある婦人科診療の近未来・未来をどう考えるか?」の演題でご講演いただきました。
遺伝子情報を活用した診療についてのお話を聞き、患者個人の遺伝子情報に基づいた診療が広がりつつある現代で今後どのような説明をして診療を行っていくか、あらためて考える機会になりました。
2023年12月2日(土)~12月3日(日)にかけて、徳島県の徳島市で第38回日本女性医学学会学術集会が現地とWEBでのハイブリッド形式で開催されました。当科からは、山内先生、深瀬先生、県立中央病院の丸山先生、堀川が現地参加いたしました。
演題発表は、当医局出身で現在は山形市内で開業されておられる高橋一広先生がオフィスギネコロジーのためのセミナーとして『クリニックでの開業を成功させるために知っておくべき知識』をご講演されました。
会場では、発表された各大学での臨床研究の成果や希有な症例報告、各施設における手術実績・創意工夫等に関して、身に染みるような冬の冷たい風に負けない程の熱い議論が交わされ、研究・日常診療に関して今後のモチベーション維持に繋がる貴重な機会となりました。
最新の知見を実際に肌身で体験できただけでなく、前教授の倉智博久先生ご夫妻、当医局ご出身の高橋一広先生・成味恵先生、浜松医科大学の寺本麻友子先生と共に徳島名物の阿波牛や阿波尾鶏、ご当地のすだち酒・ゆず酒、徳島ラーメンにも舌鼓を打つことができ、大変実りある学会となりました。
学会参加で得られた知見を明日からの臨床・研究に活かしていくと共に、不在中に診療をカバーしていただいた先生方・スタッフの皆様への感謝も忘れずに、今後も邁進していこうと思います。