教室紹介
平成から新しい年号「令和」へと変わる本年、山形大学医学部産科婦人科学講座は開講45年目を迎えました。初代教授の廣井正彦名誉教授が苦労して立ち上げた教室は、二代目教授である倉智博久先生(現・大阪母子医療センター総長)に引き継がれ大きく発展し、現時点では山形県内病院勤務の産婦人科医のうち9割は山形大学産科婦人科学講座出身医師で占めるほどになりました。平成26年11月から私がこの教室を預かっておりますが、平成30年度は4名の産婦人科専攻医が産婦人科プログラムを開始し、今年度は5名が開始する予定です。これからの産婦人科教室を支えていく有望な人材が集まってきていることをうれしく感じています。
さて、産婦人科の領域は生殖・内分泌医学、周産期医学、女性ヘルスケア、婦人科腫瘍学と4つの分野に大きく分かれますが、山形大学ではそのすべての分野の専門医(認定医)が大学に在籍し、診療や研究を行っています。先の4分野以外でも、臨床遺伝学、婦人科細胞診、内視鏡手術といった産婦人科診療に大きく関係する領域の専門医(認定医)が在籍しています。これは、産婦人科を学ぼうとする医学生や新たに専門医を目指そうという医師に素晴らしい教育を提供できるだけではなく、大学病院で診療をうける方々に最良の治療を提供できる環境です。
産婦人科というのは出産から老年期まで、女性のライフスタイルを考えた医療を提供していく必要があります。産婦人科の各専門領域が細分化されてしまうと、同じ診療科であるにもかかわらずそれぞれが独立したものとなって、融通が利かなくなるといった弊害が生じがちです。我々の教室では、各専門領域がカンファレンスを行った情報を全体のカンファレンスできちんと共有して診療にあたっています。この体制が、専門領域に偏りすぎない広い視野をもった医師を育成していくことにつながっていますし、このような連携の良さ、風通しの良さが我々の教室の強みであると考えています。
広い視野を持った医師が専門分野を超えて連携し、学生・研修医のみなさんには最適な学びの場を、産婦人科の病気で悩まれている患者さんにとっては安全で最良の場を、これからも提供していきたいと思います。
平成31年4月
医学博士
所属学会:日本産科婦人科学会(代議員)/日本婦人科腫瘍学会(理事)/日本産科婦人科手術学会(理事)/婦人科悪性腫瘍研究機構(理事)/日本臨床細胞学会(代議員)/日本女性医学学会(代議員)/日本癌治療学会/日本癌学会/日本産科婦人科内視鏡学会/日本人類遺伝学会/日本生殖医学会/日本周産期・新生児医学会 など
資格:日本産婦人科学会専門医 /婦人科腫瘍学会専門医・指導医 /日本臨床細胞学会細胞診指導医